ニュース「吉野彰氏ほか、ノーベル化学賞受賞」

 きょう(令和元年10月10日)河北新報オンラインにも、「吉野彰氏にノーベル化学賞 リチウムイオン電池開発、旭化成」のニュースが上がっていました。

 リチウムイオン電池の開発の功績者として、「現在の情報化社会を支えるほか地球温暖化の解決にもつながる成果」と讃えられました。

 記者会見の様子が詳しくわかるロングバージョンの動画はこちら↓

 12分24秒ごろからの、テレビ東京の記者さんからの質問へのご回答に、大感激した当社スタッフです。以下、引用させていただきます。


質問 : スウェーデンのノーベル賞のアカデミーが、先生に授賞された理由として環境問題を挙げておられました。具体的に、リチウムイオンの今回の実績は、どんな形で環境問題に貢献していくことができるのでしょうか。

 

吉野氏: まず、リチウム電池というのは電気を蓄えるのが一番の機能でございます。ですから、一つは今もうすでに始まっておりますけども、いわゆる電気自動車の普及ですよね。これはもう当然リチウムイオン電池でないとできません。

 で、じゃあ単に車をクリーン(エネルギー)にするだけかっていうと決してそうではなくて、そういった電気自動車が普及いたしますと、巨大な蓄電システムが自動的に出来上がることになります。

 そうしますと、太陽電池ですとか風力発電とかですね、非常に変動の激しい発電技術が非常に普及しやすくなってくると。そこのところが、一番大きな環境問題への貢献だと思います。

 

質問 : 関連してお伺いしたいと思います。先日ニューヨークで開かれた国連の地球環境に関するサミットでも、日本は多くの公約をしなければならないことが明らかになりましたが、今おっしゃった環境への寄与を研究者として、また実業面から、どのようにお考えでしょうか。

 

吉野氏: 基本的には先ほど申しましたように、いわゆる「再生可能エネルギーで発電する」という社会システムを作っていかないといけないと思います。それによって、発電所から出るCO2の問題が解決されていくかと思います。

 で、そのためには絶対蓄電システムが必要なんですね。ただ、そのためだけに蓄電システムを作ろうとすると、これはもう相当な費用がかかります。

 ですから先ほど申しましたように、電気自動車に積んでいる電池が実はそういった蓄電システムという機能も持つんですよと。そうしますと、太陽電池ですとかそういったサステイナブルな発電が非常に普及しやすくなると思います。


 当社スタッフは日頃、環境保護に寄与するものとして、電気自動車をお勧めしたいと考えております。

 今日この吉野氏の回答に、この努力の拠り所と、大きな希望を与えていただきました。「電気の自給自足といえば、蓄電池」という流れに、ある意味逆らって電気自動車を推し進めていくにあたっての勇気も頂きました。

 太陽光、風力、波力……再生可能エネルギーの弱点が、その不安定さにあると以前聞いたことがあります。電気自動車のバッテリーが再生可能エネルギーシステムの普及に貢献しそうと聞いて、単に「おうちの太陽光パネル」という枠を越えた可能性も感じました。(送電以外の大容量輸送からのBCP対策、ですね!)

 今後も、電気自動車と太陽光発電に「身近で便利でおトクなツール」として親しんでいただけますよう、工夫を凝らしてまいります。